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この春、薬膳で健康になろう~ストレスと花粉症対策の薬膳~

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講師紹介

和田 暁 氏
東京有明医療大学講師
NPO日中健康科学会理事
国際中医薬膳管理師会会長
著書「薬膳で治す」「まいにち養生ご飯」

日時

平成25年3月30日(12:00~14:30)

会場

河鹿苑

この春、薬膳で健康になろう~ストレスと花粉症対策の薬膳~


新緑爽やか、花が咲き乱れる春は自然界の陽気の甦りにつれ、気持ちも自由奔放になる。一方で新年度、新しい環境の始まりでつい頑張りすぎ、ストレスが溜まり易くなる。ストレスから肝を守り、花粉症や風にも備える。

ストレス

ストレスを生む原因は精神的、肉体的、物理・環境的なものがある。初めに警告期がある。イライラして心身の疲れに気づきにくい。次に反抗期でストレスに対して反発する時期があり、最後に疲弊期になって本当に病気になってしまい、疲れ切ってしまう。

  • 警告期:イライラ、ため息、肩こり、疲れに気づかない。
  • 反抗期:疲労感が興奮に変わる、代謝過剰、血圧が高い、顔面が赤い、動悸、怒りっぽい
  • 疲弊期:情緒低迷またはうつ気味、倦怠感、無気力、情緒の変化による突然の脱力感、不眠、考えすぎ、疑いが深くなる
  • がんや脳の老化にストレスは関係している。ストレスがコントロールできなくなると免疫力が低下する。

ストレスと病気

ストレスが高まって、調整不能になると交感神経が高ぶって、血圧の上昇、血液循環が滞るようになる。またはタンパク質や脂肪、糖分、ビタミンの消耗は激しくなり、免疫機能が阻害され抵抗力が低下する。
消化系、循環系、内分泌系、泌尿系の病気になりやすくなる。

ストレスと食べ物

  • ホルモン分泌を助ける:ビタミンC(菜の花、ブロッコリー、キウイ、いちご)、ビタミンE(シーチキン、卵黄、アボカド)
  • ホルモン分泌を調整する:タンパク質(豚肉、いわし、牛もも、鶏もも、鶏卵、木綿豆腐)
  • イライラ、不安を鎮める:マグネシウム(納豆、牡蠣、ホタテ、サザエ、ほうれん草、枝豆)
  • イライラを解消、安眠をもたらす:カルシウム(チーズ、丸干しいわし、小松菜、木綿豆腐、牛乳)

東洋医学の心身一体感

紀元前400年前の医学古典書「黄帝内径」の中で七情内傷の理論が記載されていた。
 情緒と内臓の関係は

  1. 喜傷心(きしょうしん):過度の喜びは興奮を招き、不眠、動悸、多夢、不安を招く。
  2. 怒傷肝(どしょうかん):過度の怒りは気血を鬱して上逆させ、卒倒などを招く。(高血圧、脳卒中の引き金)
  3. 憂悲傷肺(うひしょうはい):内心の塞ぎ、悲しみは胸の苦悶感、息切れ、胸痛、声が出ないなどを招く。
  4. 思傷脾(ししょうひ):頭痛の過労によって食欲不振、倦怠感、下痢などを招く。
  5. 驚恐傷腎(けいきょうしょうじん):突然の異変に遭遇したり、極度の緊張を起こすと尿失禁したり、記憶喪失したり、性機能を減退などを招く。

ストレスから体を守る薬膳ケア

  1. 香のハーブ、柑橘皮、ジャスミン、バラなどで気の流れをよくする。【カモミール、ウコン、金木犀】
  2. 苦みのせり。セロリ、クチナシの実、決明子で鎮静、交感神経を鎮める。【菊花茶】
  3. 赤色、甘酸味の果実、蓮の実で心を養い、気持ちをゆったりとさせる【クコの実、なつめ、五味子、蓮の実】
  4. ネバネバ食材、海の幸、ごま、ベリーで脳を滋養。【スッポン、貝類、ごま】
  5. 海藻、瓜類、はと麦、とうもろこし髭で水分の流れを良くする。【昆布、こんにゃく、冬瓜】
  6. 酸味で副交感神経に働きかけ、リラックスさせる。【さんざしの実、レモン、梅干し】
  7. 激辛味を避ける。ガスを作りやすい焼き芋、お餅を避ける。【唐辛子、焼き芋、お餅、焼き栗】

花粉症ケア

大根、かぶ、くず粉、ごぼう、菊花、桑の実、ミント、カモミール、金銀花、青汁など苦味のものでデトックスする。
控えたほうが良い物
 激辛、イワシ、カニなど甲殻類、油脂物、甘味物、アルコール、マンゴー(漆科)


参加者の声
□ストレスを薬膳で改善とは考えたことがなく、大変参考になりました。
□ 喘息、花粉症がある私には、とても有意義な一時間半でした。お料理もおいしく頂きました。

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